混合ハーブエキス「AGハーブMIX」の原料植物および機能成分
原料植物
ドクダミ(Houttuynia cordata) 1)
ドクダミは、日本、中国、台湾、ヒマラヤ、インドネシアなど東アジアの温帯、亜熱帯に広く分布する多年草で、「日本薬局方」にはジュウヤク(十薬)という名称で収載されています。
ドクダミの名は「毒を矯(た)める・止めるの意味で、江戸時代中頃からの名称。生薬名である十薬は貝原益軒が「この草には十種類の薬効がある」と言ったことに由来します。中国では、「魚腥草 (ぎょくせいそう)」といい、2000年も前から民間薬的に用いられてきました。
セイヨウサンザシ(Crataegus laevigata) 2)
ホーソンベリーとしてアメリカ、ヨーロッパにおいて心臓に有用なハーブとして使用されています。その作用はジキタリスよりもマイルドで、広範囲の循環器系を改善するとされています。
古代ローマ時代には市民の健康を守る女神カルナの聖木とされ、新生児の血を吸う魔鳥を追い払う木としてその小枝を、赤ん坊の揺りかごにのせたといわれています。キリストの磔にされたときの冠がセイヨウサンザシだといわれ、キリストの血がセイヨウサンザシを清めたといわれています。そのため、「厄除けの木」ともいわれています。
カモミール(Anthemis nobilis) 2)
カモミールはカミツレともよばれ、ハーブティーなどでよく知られる代表的なハーブです。一般にカモミールにはジャーマンカモミールとローマンカモミールがあげられますが、ここで使用しているのはローマンカモミール(ローマカミツレ)です。
風邪の初期には効果が高いことから、昔から「医者の草」と呼ばれており、医療用ハーブとして最も古いものの一つです。発汗をうながし、頭痛など各種の痛みを和らげるなど効能が多いが、女性に特有の諸症状にもよく効くので、ドイツでは「ムッテル(母)のハーブ(クロイター、薬草)と呼ばれています。北欧系女性の金髪が美しいのは、このティーでリンスするからとも言われています。
ブドウ(Vitis vinifera) 2)
ブドウはワインの原料や食用として世界中に栽培される植物です。ワインだけに限らず、ブドウは葉や種子のエキスに抗酸化作用や血管に対する優れた健康効果のあることが調べられつつあります。本製品で使用しているのはブドウの葉の部分です。
機能成分
カモミールの花には少なくとも、0.4%(V/W)の精油を含み、主要な成分はα-ビサボロール(bisabolol)、ビサボロールオキサイドA及びBです。さらにマトリシンと、アピゲニンやアピゲニン7-グルコシドのようなフラボン類が含まれます。特にローマカミツレ中のカマメロサイド(Chamaemeloside)はメイラード反応阻害物質の一つとして報告されています3,4)。
ドクダミの葉にはフラボノイド配糖体であるクエルシトリン(quercitrin)が含まれます2)。
セイヨウサンザシにはフラボノイド配糖体(ルチン、ビデキシン、ヒペロシド)、5員環トリテルペン類、サポニン、オリゴメリックプロシアニンジン、トリメチルアミン、縮合タンニン、ビタミンB1、B2、Cなどが含まれます1)。
ブドウ葉にはケルセチンなどのフラボノイドが豊富に含まれます1)。

参考文献
- 第十五改正日本薬局方解説書(2004)
- 清水俊雄、機能性素材便覧、薬事日報社(2004)
- アークレイ機能性素材セミナー資料(2006. 8)
- 松浦信康ら、日本生薬学会第53回年会(2006)
- Yagi M. et.al., Journal of Nutrition Health and Aging (in Press)
- 世界薬用植物百科事典、誠文堂新光社
- 健康・栄養食品事典、東洋医学舎
- 日本薬草全書、新日本法規出版