シイクワシャーエキス「ビレチン」の機能成分・有効性情報 - 機能性食品素材 - アークレイ - アークレイ

機能性食品素材

シイクワシャーエキス「ビレチン」の機能成分・有効性情報

シイクワシャー 1,2)

シイクワシャーは沖縄特産のカンキツのことで、学名は Citrus depressa HAYATA と称します。シークワーサー、クガニなどの愛称で呼ばれています。
このシイクワシャーは沖縄県北部にある名護市の北隣に日本一の長寿村として有名な大宜味村で収穫されています。この大宜味村が日本における最大の産地であり、実に生産量の約70%を占めています。

シイクワシャーの木は小高い常緑樹、葉は楕円形8cmくらいで、枝には棘があり、花は白色の直径3cmです。結実期は11~12月であり、平均的な果実は短径3cm、長径4cm程度の偏球形で、果重25gであり、種子が多く、果室は7~11室あります。

シイクワシャーの樹 シイクワシャーの果実 シイクワシャー果実の切断面

「ビレチン」中の機能成分ノビレチン、タンゲレチン

カンキツ類に含有されるフラボノイド類はフラバノン、フラボン、フラボノール、アントシアニンの4つのグループに分けられます。その中でフラボノイドの水酸基がすべてメトキシ基に置換されたポリメトキシフラボノイド(PMFs)という一群の化合物があります。これらの成分の生理作用として、抗アレルギー性、抗ガン性が報告されています。シイクワシャーには特徴的な成分として、メトキシ基の数や位置が種々異なる数種のPMFsが存在しますが、その中でも、メトキシ基が5個のタンゲレチン、6個のノビレチンが多く含まれています1-4)

ノビレチン構造式 タンゲレチン構造式

ノビレチンの作用

ノビレチンには発ガン抑制やガンの転移抑制、リウマチ、関節破壊、骨粗鬆症の予防、紫外線からの皮膚の保護作用など広い作用が期待されています1,2)。特にシイクワシャー果汁とノビレチンに関しては、病態モデル動物試験により血糖上昇抑制作用、血圧上昇抑制作用が確認されています。また、脂質代謝改善作用 5)、アディポネクチン増加作用 6)、抗動脈硬化作用 7)、ヒト試験結果8)なども報告されています。ノビレチンのメタボリックシンドローム作用機構を考えた場合、各経路での関与の可能性が考えられています。

ノビレチンの機能性

ノビレチンのin vitroでのアディポネクチン発現促進作用 6)

前駆脂肪細胞を用いた試験系においてノビレチンのアディポネクチン発現促進作用について検討したところ、濃度依存的に効果が認められました。

【試験方法】
前駆脂肪細胞3T3ーL1を用いて、ノビレチンを1~10μM添加し、脂肪細胞分化の初期の指標である36B4、aP2およびアディポネクチンのmRNA発現量の測定を行った。
【試験結果】
ノビレチンを添加した分化誘導培地で培養した脂肪細胞と、無処置対照の培地で培養した脂肪細胞とを比較した結果、ノビレチンを添加することにより、脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌促進効果を有していた。
ノビレチンの3T3-L1におけるアディポネクチンmRNA発現量

ノビレチンの自然発症糖尿病マウスを用いたアディポネクチン分泌促進作用 6)

自然発症糖尿病マウスを用いて、ノビレチンの摂取の有無により、脂肪細胞におけるアディポネクチンの分泌量を比較したところ、ノビレチンの摂取により、有意にアディポネクチンの分泌量が増加し、ノビレチンの糖尿病改善効果が期待されます。

【試験方法】
自然発症糖尿病マウス(6週齢、雌)をコントロール群およびノビレチン群の2群に群分した(n=6)。コントロール群には高脂肪食のみ、ノビレチン群にはノビレチン0.02%を含有させた高脂肪食を摂取させ、開始27または28日後に血清を採取し、アディポネクチンの分泌量を測定した。
【試験結果】
ノビレチン群とコントロール群においてアディポネクチン分泌量を比較した結果、ノビレチンの摂取により、脂肪細胞におけるアディポネクチンの分泌量が有意に増加した。
自然発症糖尿病マウスでのアディポネクチン分泌作用

参考文献

  1. 矢野昌充、農業技術、57(1)、(2002)
  2. 太田英明、Techono Inonovation、Vol11、No5 21-25 (2001)
  3. 果樹試験場カンキツ部ら、生物系特定産業技術研究推進機構「新需要創出のための基礎研究推進」事業報告所(平成8年度~12年度)
  4. Nogata Y. et.al., Bisci.Biotechnol.Biochem, 70(1), 176-192(2006)
  5. 京都大学、2005年度農芸化学会発表資料(2005)
  6. 特WO/2006/049234(アークレイ)
  7. 食品機能性研究の最前線 第2回講演会(2006年2月16日)
    (農林水産省食品総合プロジェクト研究)
  8. 独立行政法人農業技術研究機構 果樹研究所 プレスリリース資料(平成13年6月27日)